正しい方法
ハイキングシューズを早く履き慣らしたいと思っていても、最初はゆっくりと、足の新しい「ホーム（家）」として馴染ませる時間をかけてください。そのために、履き慣らしは３つのステップで進めることをおすすめします。

① 2～3時間程度、自宅や自宅近辺でシューズを試し履きししてみる。

② 足がシューズになれたら、軽く散歩に出かけてみる。
問題が無ければ、整っていない地面でも快適に歩けるはずです。また、歩く時間や強度も無理のない範囲で少しずつ増や

③ 数回散歩に出てみて足の痛みが無ければ完了！
これで新しいハイキングシューズで本格的なトレイルを歩く準備が整いました。

アドバイス
最初から難易度の高い過酷なルートは選ばないようにしましょう。まずは、簡単で短いトレイルを選び、念のために予備のシューズをバックパックに入れておくことをおすすめします。



必要な時間
ハイキングシューズを馴染ませるのに必要な時間は、素材、硬さ、履く頻度、足の形、痛みの許容範囲など様々な要因によって異なります。一般的な目安としては、シューズが硬くて丈夫であるほど、馴染ませるのには時間がかかります。

シューズが使用できる状態になったとわかるタイミングがはっきりとあるわけではありませんが、目安としては、柔軟性の高い合成素材のハイキングシューズの方が、頑丈なレザーブーツよりも馴染むまでの時間は短いとされています。

いずれにしても、焦らずじっくり慣らすことが大切です。

始めるタイミング
理想的には、そのシューズを履いていく予定のハイキングの少なくとも2～3週間前には履き慣らし始めるのが良いでしょう。ルートが長くて地形が厳しいハイキングに履いていく場合は、より多くの時間をかけるようにしてください。そうすることで、素材が足にしっかりと馴染み、途中で思わぬ痛みが生じるリスクを防ぐことができます。



注意すべき点
シューズが馴染むのにかかる時間は素材によって異なります。

革製の場合
革製のシューズは新品の状態では硬いことが多いですが、最終的には各々の足の形にしっかりと馴染みます。そのため、革が柔らかくなるまでは短期間ずつ履くのがベストです。
【ヒント】
革製のシューズを履き慣らす場合は、シューズが少し湿っている状態の方が効果的です。雨の中や、朝露に濡れた芝生の上を歩いてみましょう。


合成素材の場合
合成素材は柔軟性が高く、足に馴染みやすいため履き慣らすのも比較的に簡単です。しかし、素材が丈夫な場合は、慎重に履き慣らし無理をしすぎないように注意しましょう。

擦れや締め付けを感じる場合のおすすめの対処法
シューズの擦れや締め付けによる強い痛みは、せっかくのアウトドアでの楽しみを台無しにしてしまいます。そうならないためにも、十分に時間をかけて、しっかりと足元を支える、自分の足型やニーズにぴったり合ったシューズを見つけることが大切ですが、もし、履き慣らし中に不快感を感じてしまった場合には、痛みを和らげるための簡単な対処法がいくつかあります。


・ハイキングソックスを着用する
重要な部分にパッドを入れた、厚手で吸湿発散性のあるハイキングソックスを履くと、擦れが減り、水膨れになることが防げます。また、フィット感が向上し、履き心地も良くなります。

・靴ひもを正しく結ぶ
締め付けを防ぎ、足を快適にサポートできる結び方を選びましょう。ひもの締め具合が均等でバランスよく調整されているかを確認することが大切です。

・足のケアを行う
肌のひび割れや乾燥を防ぐために、しっかりと足のケアを行いましょう。また、爪を短く整えることで痛みの軽減にもつながります。

・インソールを使用する
必要に応じて、クッション性とサポート力を高めるためにインソールを活用しましょう。つま先に十分な余裕があり、自分の足の形に合ったインソールを選んで下さい。

・シューストレッチャーで伸ばす
新しいレザーシューズの場合は、シューストレッチャーで素材を柔らかくし、伸びやすくすることで圧迫を感じる部分の負担を軽減できます。

・靴擦れ用パッドやテープを使う
靴擦れ用パッドやテープを使用することで痛みを和らげることができます。



擦れや締め付けが解消しない場合
上記の方法を試しても効果が無い、または数時間経つと痛みが戻ってきてしまう場合は、一度フィット感を見直し、必要に応じて調整をしましょう。足の形に偏りがある場合、適切なフィット感を見つけるのが難しいこともあります。

最終手段として、きつ過ぎるハイキングブーツには、特定の部分に熱と圧力を加えることで伸ばすことができます。

注意：シューズの損傷や劣化を防ぐため、この作業は必ず認定された専門家に依頼しましょう。



最後に
ハイキングシューズを履き慣らすことは、あらゆるアウトドアアクティビティでしっかりと足を保護するためにとても大切なことです。

きちんと時間をかけて履き慣らすことで、靴擦れは起きにくくなりますので、是非このコラムを参考に試してみてください。