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フリーソロ・クライミングは自分には合わないし、安全第一でいきたい。そんなあなたにとって、クライミングハーネスが体にぴったりフィットする正しいサイズであることは、欠かせない条件です。岩壁を登るとき、適切にフィットするハーネスは安全を確保するだけでなく、快適に体を支えてくれる頼もしい相棒になります。このコラムでクライミングハーネスを選ぶときにチェックするべきポイントを確認し、安心してクライミングを楽しみましょう。
理想のクライミングハーネスを見つけるために、確認するべきポイントをまとめました。


【フィット感】
ハーネスは快適にフィットしつつも、すべてのムーブを安全にこなせるよう、動きの自由度を妨げない程度にタイトである必要があります。

【調整機能】
当然ですが、ハーネスに自分の体を合わせるのではなく、自分の体にハーネスを合わせることが大切です。調整可能なループのあるハーネスなら、体型を問わず自分の体に合ったハーネスにすることができます。

【クッション性】
ルートの核心部で苦戦して時間がかかる場面では、通気性のある素材と柔らかいクッションが、例え宙づり状態であっても、快適さをキープしてくれます。

【ギアループの数】
カラビナやナッツなど、様々なギアが重要になるビッグウォールクライミングでは、使えるギアループは多いほど有利です。一方、ダイナミックなスポーツクライミングの場合は、限られた数のギアループで十分です。ここは、目的に沿って適切なものを選びましょう。

【重量と収納サイズ】
長くてハードなツアーにおいては、1グラムの重量増加が1トンの重さのようにも感じられます。軽さと便利な機能のバランスの見極めが大切です。

【認証】
安全性について妥協は絶対に禁物です。そのため、マムートのハーネスはすべて、国際登山連盟(UIAA)が定める基準を満たしています。
クライミングハーネス各部名称
クライミングハーネスを選ぶときに、各パーツと役割について理解しておくことが大切です。自分のニーズに合ったハーネスをより的確に把握し、最適なものを見つけやすくなります。一般的に、クライミングハーネスは以下のパーツで構成されています。


ウエストバックル(図①)
クライミングハーネスには、ウエストベルトを素早く調節するためのバックルが、1つまたは2つ付いています。これによって、ハーネスを自分のウエストサイズに合わせて素早くフィットさせ、正しく中央に配置することができます。2つ付いているダブルバックルのタイプは、調整がしやすい反面、わずかに重量が増します。また、バックルにも種類があります。スライドブロックバックルは扱いやすく、安全性も増します。ファストアジャストバックルとクリックバックルは、ハーネスの着脱が素早く簡単になります。また、クライミング中に邪魔にならないよう、ストラップの端をまとめておける機能があるかも、大切なポイントです。

ギアループ(図②)
ウェストベルトの両サイドに取り付けられており、チョークバッグ、クイックドロー、ビレイデバイスなどのクライミングギアを取り付けることができます。2種類あり、柔らかいタイプのギアループは補助的なギア用、硬く成型されたタイプはよく使うギアを素早く扱えるように設計されています。最初の確認ポイントでも書いたように、クライミングハーネスによって、ギアループの数やサイズが異なるので、必要なギアループの数を事前に検討して選びましょう。

ビレイループ(図③)
ビレイループは、ウエストとレッグループのタイインループをつなぎ、さらにウェストベルトとレッグループ全体を一体化させる、ハーネスの中で最も強度と耐久性に優れた重要な部分です。カラビナやビレイデバイスもここに取り付けます。

伸縮性ストラップ(図④)
レッグループは、伸縮性のストラップでウェストベルトの背面に固定されています。これらのストラップは長さ調節が可能なものが多く、レッグループを自分にぴったりの位置に簡単に調節できます。マムートのクライミングハーネスの多くには、ドロップシートバックルが付いており、ウェストベルトから伸縮性バンドを取り外すことができます。これは、クライミング中に急にトイレに行きたくなった時などに便利です。

ウエストベルト(図⑥)
ウエストベルトは、腰に巻き付け、骨盤の上に配置します。幅はハーネスの種類によって異なります。クッションが付いているものは、快適な装着感で特に長距離のツアーで役立ちます。一方、クッションの無いストラップは軽量で、アルパインクライミングに適しています。マムート ゼファーとトギルシリーズは、独自のスプリットウェビングテクノロジーを採用しており、超軽量でありながら、優れた動きやすさと快適な座り心地を実現しています。実績のある2分割ウェビングテクノロジーは、サポートバンドを介して最適な圧力分散を実現し、オフィールシリーズのすべてのクライミングハーネスに採用されています。

タイインループ(図⑦)
タイインループはウエストとレッグループの間にあり、使用するビレイ方法に応じてクライミングロープを結びつけるための部分です。アルパインクライミングでは、誤ってロープを踏んでしまわないように、タイインポイントはできるだけ高い位置にあるのが望ましいとされています。マムートの多くのクライミングハーネスには、タイインループにハーネスの交換時期を知らせるインジケーターが内蔵されており、使用限度が一目でわかるようになっています。

レッグループ(図⑧)
レッグループは太ももに巻き付ける部分で、お尻のすぐ下に来るように装着します。ウェストベルトと同様に、クッション性が高いほど快適性が増し、クッションが少ないほど軽量になります。アプローチの段階で既にハーネスを着用している場合、幅が広く硬いレッグループのクッションは歩行時に邪魔になることがあります。逆に、極端に薄く柔らかいレッグループの場合は、空中で長時間休憩することには向いていません。また、多くのクライミングハーネスにはバックルやクリックバックルが取り付けられており(図⑤)、レッグループを簡単に調整できるようになっています。これは、クランポンやスキーを装着した状態でハーネスを着脱するときなどに便利になっています。一方、バックルの無いタイプはその分軽量になります。


①ウエストバックル

②ギアループ

③ビレイループ

④伸縮性ストラップ

⑤レッグバックル

⑥ウエストベルト

⑦タイインループ

⑧レッグループ



クライミングハーネスのフィット感はどうあるべきか?
どんなに高性能なクライミングハーネスでも、体にぴったり合っていなければ、その性能を十分に発揮することはできません。だからこそ、まずは適切なサイズとフィット感を重視することが非常に重要です。特に大切なのは、ウェストベルトが正しくフィットし、骨盤の上(おへそのあたり)にしっかりと位置していることです。また、レッグループもきつすぎず、ゆるすぎず適度なフィット感が大切です。ここがしっかり調節できず、動きの自由度が制限されると、クライミングの楽しさも損なわれてしまいます。ウェストベルトからウェストストラップ、ウェストバックルに至るまで、ジャケットの上からでも快適に動けるよう、適度な余裕を持たせることがポイントです。

一般的に、バックルの数が多いほど、体に合うように調節がしやすくなります。例えば、ある日はシャツを1枚だけでも、次の日は厚手のウェアを何枚も重ね着するという場合や、クライミング中に脱ぎ着が必要なときなどにとても便利です。ただし、バックルの数が増えるほどハーネス自体の重量も増すため、自分の使用スタイルや目的に合わせて、必要な要件をしっかり見極めて選びましょう。



女性・男性向けクライミングハーネス
ほとんどのクライミングハーネスはユニセックスですが、男性または女性の体型に合わせて特別にデザインされたモデルもあります。女性用クライミングハーネスは通常、胴体が短くヒップが狭い人向けに作られており、男性用はより長く幅広です。さらに、女性用ハーネスのウェストベルトは高めの位置にあり、レッグループも体型に合うように幅広になっています。一方、男性用は一般的に大きめのサイズが揃っています。ユニセックスモデルと比べて、体型に合わせて作られたハーネスを選ぶことで、より正確なフィット感を得ることができます。

クライミングハーネスの試着時のヒント
クライミングハーネスを購入する前には、必ず試着を行ってください。できればクライミングパンツも着用した状態で試着すると、着心地やフィット感を確かめやすいです。特に、ストラップが体に食い込んだり、動きを制限したりしないかを確認してください。ウェストベルトとレッグループには、常に多少の余裕を持たせておく必要があります。ウェストベルトが広すぎるかどうかを確認するには、着用中にストラップを少し引いてみましょう。腰骨より下にずり落ちなければ大丈夫です。

すべての準備が整ったら、スムーズに動けるか試してみてください。しゃがみ、片足を伸ばし、腰を回してみましょう。クライミングのあらゆる動きにおいて、ハーネスは体にぴったりとフィットする必要があるため、遠慮は無用です。可能であれば、ハーネスにぶら下がったり、重りをつけてみたりして、重量がかかった状態での挙動を確認してください。圧力がどのように分散されるか、またハーネスに座ったときに快適かどうかにも注意してください。
あらゆるクライミングスタイルに最適なハーネス
クライミングスタイルは多種多様で、ハーネスの機能も多岐にわたります。スポーツクライミング、アイスクライミング、ビッグウォールクライミングなど、それぞれのアクティビティには、クライミングハーネスに求められる要件が異なります。ここでは、どのハーネスがどのクライミングスタイルに最適か、その概要をご紹介します。



インドアクライミングとスポーツクライミング
ギアループとバックルに関しては、少ないほど良いと考えられています。パッドを最小限に抑え、ギアループの数を少なくした軽量ハーネスは、素早い機敏な動きをサポート。整備されたルートのクライミングに最適です。


マルチピッチルート
数時間にわたって活動する場合は、快適性と装備の両方が求められます。圧力を均等に分散し、調節可能なレッグループを備えたパッド入りのハーネスが、あらゆる状況や重ね着に対応できるためおすすめです。また、クイックドロー、スリング、その他のギアを収納するためのギアループが確保されているか確認しましょう。

ビッグウォールクライミング
ビッグウォールクライミングにおいては機能性が豊富であることが重要です。多数のギアループ、最適な圧力分散、そして優れたパッドは、重い荷物を携えての数日間のクライミングでもあなたをサポートしてくれます。ハーネス背面には、コード類を固定するためのハウルループも備えており、実用的です。

アイスクライミングとミックスクライミング
アイスクライミングでは、機動性、ハンギングの際の快適なサポート、そして十分なギアループが重要です。調節可能なレッグループも利点の一つで、重ね着した状態でもハーネスがしっかりとフィットし、必要に応じてクランポンを装着できます。

登山
登山用のハーネスは、通常ハーネスに座ることはないため、パッドについてはあまり優先されません。代わりに、薄くて軽いことが重要です。また、タイインポイントが高いことも重要です。タイインポイントの位置が高いと、クライミング中にロープが邪魔にならず、アイゼンに絡まるのを防ぎます。

ヴィア・フェラータ
厚いパッドは必要ありません。スポーツクライミングと同様に、動きやすさ、軽量化、そして荷物のコンパクトさを重視しましょう。



その他クライミングに必要な装備
クライミングロープのないハーネスは、チョークのないチョークバッグのようなものです。高所への適性に加えて、クライミングウォールには他にもいくつかの必需品があります。クライミングシューズ、クライミングヘルメット、クライミングパンツ、マムートなら必要な基本装備がすべて揃っています。カラビナ、スリング、クイックドローもまた岩場での冒険に欠かせません。

マムートのアイテムで、キャサリン・チョンのように最難関ルートを制覇し、アダム・オンドラのように岩に順応し、アムルタ・ウィスマンのように意志の強さと持久力を鍛えましょう。クライミングギアはいつもあなたのそばにあります。



 
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