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南極遠征 - MAMMUTプロチームアスリート カロ・ノースへの10の質問

プロチームアスリート カロ・ノースの南極遠征についてのインタービュー。この中で彼女は恐怖や不安、そして純粋な幸福の瞬間について。そして、南極がいかに特別な場所であるかについて語ってくれました。

南極遠征の計画はどのようにして始まりましたか?

この計画のアイデアは、実際に南極に行ったことのあるカメラマンからもらいました。文明から遠く離れた野生の地を見た瞬間、私は心を奪われました。

遠征の主な目的は何ですか?

私の夢は、ミックスルートでの初登攀を達成することでした。そのためのすべてのギアを完璧に準備して向かったのですが、残念ながら、天候に恵まれませんでした。

準備段階での最大の懸念は何でしたか?

私の一番の懸念はドレーク海峡の航海でした。私には航海経験が殆どありませんでしたし、外洋での航海は皆無でした。そしてそこは悪天候と乱流で最も悪名高い海路のひとつでした。4〜5日間陸を見ないで過ごすことがどういうことかも知りませんでした。私は不安を受け入れなければなりませんでしたが、そのことも非常に魅力的に感じました。クライミング遠征では、何に出くわすかをだいたい予測することができますが、ここでは全く不可能。それは全く新しい冒険でした!

結果的に、その懸念は的中しましたか?

もちろん!ドレーク海峡横断と小さなセーリングボートでのホーン岬周遊は、強烈で印象深い体験でした。もちろん、事前に気象について学び、計画を練りましたが、それでも海の力に完全に翻弄されてしまいました。セーリングボートは、波の上を上下に揺り動かされ、波が甲板を転がるように片側に傾いていく。私たちはまるで小さな木の実の殻のようでした。しかし、常にもとに戻り、それは時に奇跡のように感じました。私たちの唯一の選択肢は、デッキの外に出るか、キャビンに横たわるか。すぐに吐き気をもよおすので、その二択でしかなかったのです。奇妙なリズムに体を揺り動かされ、限界に達することは恐ろしい経験でしたが、私はその中にも楽しみを見つけて面白がっていました。もし新たなセーリングアドベンチャーがあったら私はためらうことなく参加するでしょう。しかし、私の相棒ギルロームは、横断のほとんどの時間、寝たきりで嘔吐の連続でした。何もすることができず、横断は彼にとって終わりのない拷問のようでした。

世界中を旅している中でも、南極がとてもユニークだと思うのはどんなところですか?

南極は、他では見られない異色な環境です。数週間の中で私たちが目にしたのは、白、青、灰色だけ。それ以外の色はなく、動物でさえこの背景に溶け込んでいました。そして、研究所以外に、文明はありません。本土からとても遠く離れていて、頼れるのは自分自身だけ。風景は荒々しく、私たちをまったく寄せつけず上陸できないほどに厳しいのです。氷河、クレバス、雪の吹きだまりは荒々しく巨大。情報も地図もほとんどありません。そして分刻みに変化していく天候。パウダースキーをしたとき、美しく晴れた瞬間がありましたが、その直後、うねるような波と視界を失うほどの氷の嵐がやってきたのです。風景は厳しく荒涼としていますが、それでも非常に美しく、絶えず変化する天候の中で違った景色をみせてくれます。それはとても感動的でした。ボートでの移動と生活は、この体験をさらに特別なものにしました。悪天候で上陸できない時は、わずか数歩しか歩けない狭い空間で、ただひらすらみんなで座っていました。上陸しても、氷河の上なので、自分だけではどこにも行くことができません。

南極とスイスアルプスでのスキーツアーの違いは何ですか?

スイスにはペンギンはいません!

地元アルプスと同じように、南極で客観的に危険度を予測することはできますか?

積雪量についての情報もなく、雪の下に隠れているクレバスゾーンの場所も、斜面の急勾配の兆候もわからなかったため、危険度を判断することは非常に困難でした。天候も非常に厳しく、予測は予想以上に難しかったです。強風は雪を巨大な力で運んでいきます。これらすべての要因によって困難が生じ、危険予測には、多くの経験値と、地形における継続的な再計測が必要となります。

南極への旅行を考えている人に何を勧めますか?

どんな状況であっても、大きなクルーズ船で旅行するべきではありません!これらの船は環境を破壊し、ペンギンを殺しているので、私の意見では、南極のような環境においては禁止されるべきです!

別の南極への旅を計画していますか?

また南極に行くことは私の夢ですが、天候にかかわらずクライミングができる余裕を持った時間と、南極半島の僻地まで航海することができるようになってからですね。

遠征を振り返って、記憶の中で最も印象深い瞬間は何ですか?なぜですか?

想像を絶する体験と感動に溢れた1ヶ月でした。これらの瞬間は鮮明な記憶として残っていて、1つだけを選ぶことは不可能です。たとえば、海峡での航海、嵐の中での南極大陸への到着、3日間立ち往生しデセプション島の奥地に到達できたこと。また、強風と暗闇の中にそびえ立つ氷の海峡での航海。上陸して雪の中に新しいトラックを作ったこと、ペンギンの間を縫ってのカヌー、アイスクライミングに向かう吹雪の中アザラシの横を通り過ぎたこと、巨大な流氷の迷路の中、ボートの舵取りのためにマストに登ったこと。そして特に重要な瞬間のひとつが、非常に短い天気のスポットの中で、ギルロームと行ったひとつの山からなる島でのスキーツアーです。それは間違いなくユニークな体験でした。
 
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