トレイルランナー・マムートアスリート安ヶ平萌子。
自然の中で走る事の解放感に魅せられて、陸上競技からトレイルランニングの世界へ。日本だけではなく世界の大会でも活躍するトレイルランニングアスリート安ヶ平萌子。普段の彼女からは、言葉の使い方や所作からも彼女の真面目さを感じることができ、アスリートとしての活動も真摯に行っている事が分かる。彼女の活躍について、拠点である北海道で話を聞いてみた。
トレイルランニングを始めたきっかけは何ですか?
-中学から陸上競技をはじめて、高校・大学と続けていました。ただ大学で、部活を続ける中で、部活内のしがらみや制限に悩み、自由がないなと感じていました。そんな中、練習で不整地を走るトレーニングを行っていた時に、自分が求めていた自由や自然の中で走ることによる開放感を強く感じて、トレイルランニングへ転向することにし、現在に至ります。
トレイルランニングの魅力を教えてください。
-私が一番に感じたところは、「自由」と「開放感」です。
陸上競技の中での目的は、大会での優勝が目的になるのですが、トレイルランニングでも、アスリートとして大会での優勝は目指していますが、自然の中にいることでの解放感を楽しんだり、見たことない景色を見ることが出来たりと、単純に大会での成績だけではないことを楽しめる部分がトレイルランニングの魅力だと思っています。
陸上競技とトレイルランニングの違いはありますか?
-やっぱり自由なところですね。トレイルランニングってずっと山を走っているイメージがあると思うんですけど、全然そうじゃなくて、歩いてもいいし、走ってもいい。スタートとゴール以外の過ごし方は自分で決めることができるんです。あとは、自然の中で過ごせることも大きなポイントだと思います。四季折々の景色を楽しみながらレースに臨めることもトレイルランニングと陸上競技の大きな違いだと思います。
また、トレイルランニングを始める事は、意外とハードルが低いと思っていて、自分の足と走るための道具があれば誰でも始められるんですね。単純に、走ることが目的ではなく、自分の見たい景色を見に行くためであったり、自然の中で体を動かすことであったり、様々な理由があると思うんですが、多種多様な気持ちで自由に始められることも違いの一つであり、魅力だと思います。
様々な話を聞いている中で、環境の変化があったという彼女。アスリートで活動する傍ら、新しい職場での仕事をスタートしたという。アスリートの彼女が選んだ仕事は、どんな仕事でどのような経緯があったのかを本人に聞いてみた。
新しい仕事はどのような仕事ですか?
-トレイルランニングを行っていきながらも、どこかでやりたいなと思っていた仕事があったんです。そんな中、様々な転機があり、今だ。というタイミングで教員の仕事に就きました。大学で教員免許は取得していたので卒業後すぐに教員という選択肢もあったのですが、社会を経験した上で、アスリートとして何かを成し遂げた後での方が、伝える仕事をする際に説得力があるかなと思い、このタイミングとなりました。
私は過去、自分に自信もなく消極的な性格でした。そんな自分に嫌気がさして、走ることを通して自分の居場所を確立したいという気持ちから、トレイルランニングを始めたのもあります。その結果、走ったことで多くの人に出会えて、いろんな景色を見て、自分の道が広がったんですね。学校には様々な生徒がいて、今の環境が辛かったり、孤独に苦しむ子たちもいます。そういった生徒に自分が経験してきたことを伝えてあげて、一人ひとりの人生に向き合い、学業だけではなく、少しでも生徒たちの為になるような、サポートをしてあげたいと思っています。
今後チャレンジしていきたいことを教えてもらえますか?
-アスリートとしては、軸を2つ作っていきたいと思っています。自分自身を向上させていく事と、自分の経験から得たものを広めていくことに力を注いでいきたいと思っています。
以前、海外のレースに参加した際に、参加する前は単純に世界のレベルを体感したいと思っていたのですが、実際に参加してみたら自分の知らない世界がまだまだあるなと感じました。自分を向上させていく事で、大会の成績によって見える景色も違うだろうし、知らない土地を走ることで出会える人や景色もあると思っていて、もっともっと見た事のない景色を見に行きたいと思っています。
また、教員を選んでいる理由もそうなのですが、例えば、今までの経験を伝えていきたいなと思っています。トレイルランニングを行っている方の中には、単純に楽しみたい方もいて、そういうイベントは沢山あるのですが、もっと向上していきたいと思っている方に向けたイベントは意外と少なくて、練習会などを通じて、トレーニング方法や自分の体験などを情報発信していき、トレイルランニングをもっと盛り上げていきたいと思っています。