
ハイキングシューズのケア
山小屋をつなぐ縦走やピークハント、あるいは大自然の中を散策するときにもハイキングシューズは、
あらゆる地形で足元を支えてくれる頼れる存在です。
シューズを長く快適に履き続けるためには、日頃の正しいお手入れが欠かせません。
このガイドでは、ハイキングシューズのクリーニング方法からメンテナンス、保管方法までをわかりやすく解説。
シューズを長く愛用するためのポイントをご紹介します。
ケアのタイミング
基本的に、ハイキングの後は毎回お手入れするのがおすすめです。特に、雨や泥、雪の中を歩いた後はしっかり汚れを落としておきましょう。汚れ、塩分、湿気は素材やソールの劣化につながります。
こうしたメンテナンスを怠ると、ハイキングシューズは本来の寿命より早く傷んでしまい、履き心地も損なわれてしまいます。
革と合成素材、それぞれのケア方法の違い
適切な手入れ方法は、素材によって異なります。フルグレインレザーは、しなやかさを保つために定期的なコンディショニングが必要ですが、合成繊維やヌバックレザーには、それぞれに合ったお手入れが必要です。
最も重要なのは、素材に合った専用ケア用品を使うこと。家庭用洗剤などは素材を傷めてしまう可能性があります。
革製ハイキングシューズと合成素材製ハイキングシューズ、それぞれの主な違いをご紹介します。
| 素材 | 革製ハイキングシューズ | 合成素材のハイキングシューズ |
|---|---|---|
| 素材のケア | 革用コンディショナーやワックスを使用 | 軽い防水ケアのみ、 オイルは使用しない |
| クリーニング | やさしく洗浄し、強くこすらない | 湿らせた布で拭き取る |
| 防水ケア | 必須 | 推奨 |
| 乾燥方法 | 時間をかけて自然乾燥 熱や直射日光は避ける | 自然乾燥 熱や直射日光は避ける |
ハイキングシューズの
ケア方法
正しくお手入れすることで、シューズはより長持ちするだけでなく、
これから先のさまざまなアウトドアシーンでもしっかり足元を支えてくれます。
この動画では、注意すべきポイントをわかりやすくご紹介しています。
ハイキングシューズを正しくケアするための重要なポイントを、6つのステップに分けてご紹介します。
STEP 01.
準備
まずは、シューズを正しくお手入れするための準備から始めましょう。シューレースはすべて外し、アイレットまわりなど細かい部分までしっかりきれいにできる状態にします。
インソールも取り外しておくことで、シューズ内部まできちんとクリーニングでき、乾燥もしやすくなります。シューレースとインソールは、それぞれぬるま湯と中性洗剤で別々に洗い、自然乾燥させてください。
注意:シューレースとインソールは洗濯機で洗っても問題ありません。ただし、シューズ本体は絶対に洗濯機に入れないでください。


STEP 02.
大きな汚れを落とす
次は、シューズについた頑固な汚れを落としていきましょう。まずはシューズ同士を軽く打ち合わせて、表面の泥や砂を落とします。
特にソール部分は重要です。溝に詰まった砂や小石は、軽く叩くだけでも簡単に取れることがあります。
その後、硬めのブラシを使って、乾いた泥やホコリを隅々までこすり落とします。必要に応じて、ぬるま湯を使っても問題ありません。アイレットまわりや細かな隙間など、手が届きにくい部分には古い歯ブラシが便利です。

STEP 03.
シューズ内部を洗う
シューズの内側は、ぬるま湯で洗い流しましょう。シューズを逆さにして軽く叩きながらすすぐことで、内部の汚れも落としやすくなります。
汚れがひどい場合やニオイが気になる場合は、機能性ウェア用の洗剤を少量使うのもおすすめです。ただし、洗剤成分が残らないよう、最後はしっかりすすいでください。
Tips:ハイキングシューズは洗濯機で洗わないでください。接着剤や素材を傷めたり、型崩れの原因になったりすることがあります。


STEP 04.
しっかり乾燥させる
クリーニングの後は、しっかり乾燥させましょう。シューズの中に新聞紙を詰め、風通しの良い場所で逆さに置きながら自然乾燥させます。室温程度の環境が理想です。
直射日光やヒーターの近くで乾かすのは避けてください。強い熱によって素材が硬化したり、ひび割れや変形の原因になることがあります。
新聞紙は定期的に交換しましょう。素材によっては、完全に乾くまで2日ほどかかる場合もあります。

STEP 05.
防水ケアを施す
シューズが乾いたら、防水スプレーで防水処理を行いましょう。素材に適したタイプのスプレーを選び、屋外や風通しの良い場所で全体に均一に吹きかけます。
適切にケアをすることで、シューズ本来の透湿性を保ちながら、水や汚れを弾きやすくなります。おすすめのタイミングは、洗浄後数時間ほど経ち、シューズがまだ少し湿っている状態。このタイミングの方が、防水剤がなじみやすくなります。
その後は、そのまま24時間ほどしっかり乾燥させましょう。

STEP 06.
革製シューズの場合は、ワックスで保革ケアをする
革のシューズには、もうひとつ大切なケアがあります。それが保革ケアです。
清潔で乾いた革に、レザーワックスやコンディショナーを布やスポンジでなじませましょう。しっかり浸透させた後、やわらかいブラシで軽く磨くことで、自然なツヤ感も保てます。
このケアによって革の柔軟性を維持し、ひび割れを防げば、シューズをより長く快適に使い続けることができます。


トレイルでも自宅でも役立つ実践的なケアのポイント
ちょっとした習慣を取り入れるだけで、日々のお手入れの手間を減らしながら、シューズをより長く良い状態で保つことができます。
・汚れは早めに落とす泥や水分は、できればハイキング後すぐに落としましょう。汚れが乾いて固まる前にケアすることで、素材へのダメージを防ぎ、柔軟性も維持しやすくなります。
・ゲイターを活用する雨や雪、泥道ではゲイターがおすすめです。パンツだけでなく、シューズのアッパー部分も汚れや水分から保護でき、内部への浸水も軽減できます。悪天候時の快適性も大きく向上します。
・GORE-TEXやMammut DRY Active使用モデルは専用ケアを透湿メンブレンは、その性能を維持するために適切なお手入れが重要です。オイル系製品は使用せず、透湿性を損なわない専用の防水スプレーを使用してください。メンブレンの微細な孔を詰まらせることなく、水をしっかり弾きます。
保管方法
どれだけ丁寧にお手入れしていても、保管方法が適切でなければシューズのコンディションは損なわれてしまいます。湿気の多い地下室に放置するのではなく、いくつかの基本的なポイントを押さえることで、シューズを長く快適に使い続けることができます。
ハイキングやクリーニングが終わった後は、シューズを完全に乾燥させてから保管しましょう。シュータン部分や内側のライニングまでしっかり乾いていないと、カビやニオイの原因になります。
保管場所は、直射日光を避けた室温程度の環境がおすすめです。強い日差しは、樹脂パーツの劣化やレザーの硬化を引き起こすことがあります。
また、風通しの良さも重要です。密閉されたケースは避け、通気性のある布袋に入れるか、シンプルに棚の上などで保管しましょう。長期間保管する際は、型崩れ防止のために、インクの付いていない紙やシューキーパーを軽く詰めておくのも効果的です。
適切に保管することでシューズは良いコンディションを保ち、いつでも準備万端の状態を維持できます。
FAQ
Q:ハイキングシューズはどのくらいの頻度でお手入れすればいいですか?A:基本的には、ハイキング後毎回のお手入れがおすすめです。特に、雨や泥で汚れた場合は早めにケアしましょう。こまめに手入れをしておけば、メンテナンスも簡単に済みます。
Q:ハイキングシューズを洗濯機で洗っても大丈夫ですか?A:おすすめできません。洗濯機を使用すると、素材やメンブレン、接着部分を傷める原因になります。乾燥機の使用も避け、必ず手洗いでお手入れしてください。
Q:防水ケアをやり直すタイミングは?A:水が表面で弾かれず、生地に染み込むようになったら防水ケアのタイミングです。ハードな山行の後は、念のため状態をチェックしておくと安心です。
Q:すべてのハイキングシューズにケア用品は必要ですか?A:はい。ただし、必要なケア用品は素材によって異なります。革製のシューズには保革ケアが必要ですが、合成素材には軽い防水スプレーが適しています。汎用タイプだけでは十分な効果を得られない場合があります。
Q:シューズのニオイ対策はどうすればいいですか?A:インソールを洗浄・交換し、シューズ内部をしっかり拭き取ったうえで、十分に乾燥させましょう。消臭スプレーを使う場合は、使いすぎに注意してください。ラベンダーやシダーウッド入りのサシェ(香り袋)を使うのも効果的です。
ハイキングシューズは、
最も重要な装備のひとつ
ハイキングシューズは、最も重要な装備のひとつです。
バックパックやウェアと同じくらい大切に扱うことで、その性能を長く維持することができます。